MITSUFUJI

hamon band開発ストーリー

「思いがけない暑熱リスクによる一大事をこの世からなくしたい。」

この思いを実現するため、hamon bandを開発しました。

リストバンド画像

1.社会問題である熱中症による救急搬送

総務省消防庁の資料によると令和2年6月1日から10月4日の期間に熱中症により救急搬送された人数は約65,000人です。
令和2年9月28日から9月30日で見ると404人で、その内訳は乳幼児1.7%、少年13.3%、成人26.7%、高齢者が58.3%となります。
また、令和2年9月28日から10月4日発生場所は住居が27.8%と最も多く、次いで屋外での仕事場が多く17.7%となります。(令和2年9月28日から10月4日速報値)

2.お客様からの声

ミツフジの着衣型ウェアラブルhamonは、連続した正確な生体情報をセンシングしアルゴリズム解析することで、「暑熱リスク」、「ストレス」、「体調変化」、「眠気」、「転倒検知」など、今まで分かりづらかったの体の状態を可視化するソリューションで、これまで多くの企業様に導入いただきました。

その中で、「暑熱リスクへの対策が求められる工事現場、工場、農林水産業のフィールドなどで、さらに簡便に装着できるウェアラブルデバイスがほしい。」というご意見を多く頂戴しました。
「自社技術を用いて、お客様のニーズに応え、社会課題解決を目指したい」この思いを実現するために、ミツフジはこれまで培ってきた着衣型ウェアラブルデバイスのセンシング技術とアルゴリズム解析を活用し、より簡単で手軽に装着できる、暑熱リスク対策に特化したリストバンド型ウェアラブルデバイス「hamon band」の開発に着手しました。

3.着衣型デバイスhamonの技術をリストバンド型デバイスhamon bandに搭載

暑熱リスクを知るための一つの視点として、深部体温の上昇がありますが、日常生活の中では持続的に測定することは難しく、リスクに気付くことが困難です。
ミツフジの着衣型デバイスでは産業医科大学、前田建設工業株式会社、ミツフジが共同で開発した、運動中の心拍情報をもとに深部体温上昇の変化を推定するアルゴリズムを利用しています。

「このアルゴリズムを心拍データではなく脈波データに置き換えることができれば、リストバンドでの対策ができる。」
そこで当社では本製品のリリースにあたり、事前に当社社員並びにパートナー様のご協力を得て、製品の最終テストを実施しました。

テスト環境: 人工気候室(温度35℃、湿度50%の熱中症になりやすい暑熱環境を人工的に再現した設備)
テスト内容: エアロバイク、踏み台昇降運動
被験者着衣: インナー(上)はhamonウェア、その上に半袖Tシャツ、長袖長ズボンの作業服
測定方法: RRI(hamonウェア)、脈波(hamon band)、鼓膜温度※(鼓膜温度計)を同時に取得
結果: hamon bandから取得した脈波から推定した深部体温の上昇と実際の体温上昇の相関性を確認しました。
(※)鼓膜温度は深部体温との相関性が高いと言われている温度です。

試作品での実証実験とデータ検証を積み重ねた結果、脈波データでも深部体温上昇の変化を推測できるアルゴリズム開発に成功し、ついに暑熱リスクを事前に通知するリストバンド型ウェアラブルデバイスhamon bandの完成に至りました。